ODR実証事業「ONE」について
ODR実証事業「ONE」は、法務省の委託により公益財団法人日弁連法務研究財団及び日本弁護士連合会が行う、ODR(オンライン紛争解決)に関する実証事業です。
いま、政府及び法務省は、日本において、世界トップレベルのODRが提供される環境の整備を目標としています。
司法の世界では、既に、民事訴訟法の改正を筆頭に、裁判手続等のIT化が進められています。そして、裁判以外の場面においても、ADR(裁判以外の紛争解決手続)においてもIT化は極めて重要であり、推進することが必要です。 ADR には、手続や解決が柔軟である、簡易で迅速である、非公開の手続で行えるといった特徴があり、裁判以上にIT化に適しています。また、同じデジタル・プラットフォーム上で、解決策の検討、相談、交渉、ADRの場を一体的に提供することが可能となることで、相談から解決までワンストップで行うことも可能となります。ODRが広く市民に利用されることにより、相談、交渉、ADRの各フェーズで同一内容の説明や主張をしたり、書類の提出を行ったりするという当事者の負担解消やADR機関の取扱件数増加といった効果が期待されます。
ODRの推進は、ADRのIT化であることは勿論ですが、単なるADRのIT化にとどまらず、極めて簡単且つ迅速に進められる特長により、多くの市民に司法へのアクセス(Access to Justice)を提供することに資するものです。
公益財団法人日弁連法務研究財団及び日本弁護士連合会は、法務省からODRの実証事業を受託し、2023年9月から2024年2月までの間、ODR実証事業「ONE」(ODR New Experience)を実施します。ODR実証事業「ONE」では、養育費や貸金、業務委託費といった金銭に関するトラブルにおいて、弁護士によるオンラインでの法律相談を実施し、ODRによる解決が適切と思われる事案についてはODRの申立てを勧め、弁護士によるオンライン調停を実施します。また、合意に至りそうな場合には、オンライン上で合意書案が提案され、双方が応諾すれば、合意が成立します。このように、法律相談から、ODR、合意まで、全てスマートフォンやPCのみで完結する手続を提供しています。実証事業という性質上、期間が限定され、また、システムにおいて未成熟な部分がありますが、ご理解のほど、宜しくお願いいたします。
本実証事業の結果は、研究者による検証を経て、2024年に法務省から公表される予定です。
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